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2017-09-09

半泽直树 日语剧本/ Hanzawa naoki Transcript_15



しかし あれは
株の運用失敗による
特損です
それを
一気に補填するなんて無理だ
金融庁の黒崎という検査官は
こちらの言い分が
通じる男ではありません
だったら どうしろと
伊勢島ホテルには
聖域があると聞きました
先代である会長がお持ちの
絵画コレクション そして
美術館建設のために購入した
不動産です
それらを全て売却すれば
億以上の特別利益を
上げることができると
本当ですか?
本当です
だが それらを売ることを
父は許さないでしょう
どうしてです ホテルそのものの
存続が危ぶまれてるんですよ
この期に及んで
美術館も何もないでしょう
伊勢島美術館の建設は
会長に退いた父の最後の
いや 最初からの夢だったんです
私も できることなら
かなえさせてやりたい
なるほど
まさに聖域というわけですか
お気持ちは分かりますが
このままでは 金融庁検査を
乗り切ることができません
湯浅社長
経営危機のときだからこそ
できる選択もあるはずです
その聖域に踏み込まなければ
このホテルを苦しめる
先代の呪縛は
永遠に
解けないんじゃありませんか?
分かりました
何とか父を説得してみましょう
頼みます そこにかけるしか
我々が
生き残る手だてはありません
もしもし 貝瀬ですが
おっしゃったとおり
半沢が来ました
(大和田)ああそう それで?
もちろん 何も知らないと
シラを切りとおしました
貝瀬君 何の話か
よく分からないなあ
はあ?
何をしたかは知らないが
君が勝手にやったことだろ?
そうだろ? 貝瀬君
はい 全て私の責任でしたことです
常務には一切 関係ございません
うん そうか
これからも よろしく頼むよ
貝瀬支店長
フフッうん
いや~
いい部下を持ったもんですよ
それに比べて
困ったもんですね 半沢君には
確かに
少々 目障りね 彼は
すいませんねえ うちの担当が
専務の気をもませてしまって
いっそのこと いつものとおり
銀行から離れていただいたら?
まあ そう慌てることはないですよ
先に動いた方が負けなんて
スポーツ? とかでも
よく言うじゃないですか
ここはじっくりと 楽しみましょう
彼が どんな戦いを見せてくれるか
()これ いつまで置いとくの?
金融庁検査が終わるまでだよ
一歩間違えてたら 死んでたかも
大げさな ちょっとダンボール
崩れただけだろう
一生 消えない傷が残るかも
私と金融庁検査 どっちが大事?
 真面目に聞いてくれ
この疎開資料が 金融庁のやつらに
見つかったら 俺は懲戒解雇だ
そうなったら 君達を
養うこともできなくなる
安全を考えたら 自宅が一番なんだ
ちょっとの間だ 我慢してくれ
どこが安全なのよ!
花ちゃん
確か
(近藤)あった
どこかの誰かが 伊勢島ホテルの
内部告発をもみ消した
私は 担当として
どんなことをしてでも
伊勢島ホテルを守ります
たとえ地べたをはいつくばり
土下座をしてでも
伊勢島を再建してみせる
そのためには
たとえ相手が誰であれ
全力で戦う覚悟です
隠蔽を指示した人物が
あなたなら
私に土下座して詫びてください
そんなことができるものなら
やってみたまえ
次長!
ショボイわねえ 次長の椅子って
何かご用でしょうか?
(黒崎)決まってるじゃない
用があるから来てるのよ
聞き取り調査は明日のはずですが
今日は別件なの
実はね あなたのご自宅に
お邪魔させていただきたいの
どういうことでしょうか?
(黒崎)あなたの自宅に
伊勢島ホテルに関する
疎開資料があると
内部告発があったのよ
内部告発?
もちろん あなたが
そんなものを隠し持ってるなんて
思っていなかったけど
内部告発があった以上
こちらとしても 一応
確認しないわけにはいかないの
ご理解いただけたかしら
既に 私の部下を
あなたの自宅前に待機させてるの
あなたの奥さんが
在宅中というのも確認済み
さあ 今すぐ連絡して
部屋を見せるように
言ってもらえるかしら
このノートパソコンでも ビデオチャット
映像が確認できるから
何の心配もいらないわよ
さあ 早く奥さんに
連絡してちょうだい
それとも 見られてはまずいものが
何かあるのかしら?
今って 今すぐ?
すまない 何とか ごまかしてくれ
そんなこと急に言われたって
(チャイム)
(島田)半沢さん
いらっしゃいますか?
はい
金融庁の島田です 部屋の中を
確かめさせていただきます
[テレビ]失礼します
[テレビ]ちょっと 何すんの えッ!?
[テレビ]やましいものなんか
何もないわよ
[テレビ](女性検査官)すぐに済むので
お気になさらないでください
[テレビ]気にするっつうの
島田 天袋や床下収納も
見逃さないようにね
[テレビ]はい
どうだ?
[テレビ]ダメです
[テレビ]ちょっと 何なのよ
[テレビ](島田)この部屋は?
[テレビ]寝室よ
[テレビ]では私が 失礼します
[テレビ]やめてよ あッ
[テレビ]あッ ちょっ
[テレビ]もう 何なのよ
[テレビ]ありません
[テレビ]もう十分でしょ?
[テレビ]ないものはないの
[テレビ](島田)そこは?
[テレビ]ここは ただのウォークインクローゼット
開けなさい
[テレビ](島田)中を拝見します
[テレビ](島田)失礼
[テレビ](島田)ありません
奥まで ちゃんと探したの?
[テレビ](島田)探しました
いいわ 引き揚げなさい!
[テレビ](島田)分かりました
ちょっと あんた達
これだけ家の中 かき回したあげく
何の挨拶もなしに帰るおつもり?
お邪魔しました
それだけ?
一個人のプライバシーに踏み込むなら
それなりの礼儀があるでしょう
これは ご主人に了承を得た上での
金融庁の検査ですので
そんなの知らないわよ
ここは主人の家であると同時に
私の家でもあるんですからね
主人は銀行員という立場上
何も言えないかもしれないけど
私は一般市民だから
言わせてもらうわよ
あなた達 役人の常識はね
霞ヶ関じゃ
通用するかもしれないけど
世の中では通用しませんからね
そういう非常識な役人が
この国をダメにすんのよ
何とか言いなさいよ
[テレビ](島田)すッ すいませんでした
[テレビ]銀行員の妻 ナメんなよ
随分 素敵な奥様をお持ちね
ええ 自慢の妻です
黒崎検査官 どなたが
内部告発をしたかは知りませんが
よく言っておいてください
私の家には何もなかったと
ただし 本当に内部告発が
あったのならばの話ですが
まだ これで
終わったわけではないわ
億の損失を どう補填するか
明日までにキッチリ
提示してもらいますからね
できなければ 伊勢島ホテルは
実質破綻先として
 分類しますから
(ドアが閉まる)
しかし よく見つからなかったな
疎開資料
はあ~ 俺も今回ばかりは
もうダメだと覚悟したよ
どうやって隠したんだよ
それが
あんなもん 邪魔だったから
私の実家に送っちゃったわよ
狭い社宅に置いとかなくても
見つかんなければ
どこでもいいでしょ?
お前 しばらく
花ちゃんに頭上がんないな
早速 服買えって ねだられた
買ってやれ 着でも着でも
この銀行は
花ちゃんに救われたんだ
確かに そうだ
だが 今のままじゃ
それも 明日までだ
まだ連絡はなしか
次長 湯浅社長から 2番です
(渡真利)来たよ
お待たせしました
(湯浅)連絡が遅くなって
申し訳ない
どうでしたか?
やはり
父を説得することはできなかった
そうですか
とにかく ギリギリまで
説得はしてみるつもりです
分かりました
一難去って また一難か
やっぱり 無理だったようですね
会長を説得するのは
羽根さん
父に何を吹き込んだんです?
父は 私の話を
一切 聞く耳持たなかった
あなたから既に
話は聞いてるからと言われました
私は ただ
社長が銀行に だまされてると
そう申し上げただけです
だまされてる?
(羽根)ええ
銀行は
金融庁検査を乗り切るために
会長の美術品を売って 目先の
利益を上げようとしてるだけだと
それは違う
半沢次長は 伊勢島ホテルのことを
本気で救おうと考えてくれてます
そうでしょうか
うちが金融庁から
不良融資先だと分類されたら
今後 東京中央銀行からの融資は
完全にストップする
そうなったら うちは生き残れない
それでもいいと
おっしゃるんですか?
いいわけないじゃありませんか
私は あなたが生まれる以前から
このホテルのために
尽くしてきました
このホテルのことを
誰よりも思ってるのは
社長でも
あの半沢という銀行員でもない
この私です
何か 手だてをお持ちなんですか?
伊勢島ホテルは
私が 守ります
(島田)宅配業者を調べたところ
今朝早く 半沢宅から要請があり
段ボール箱三つを
受け取りに行ったそうです
(黒崎)やはり伊勢島の疎開資料は
半沢が保管してたのね
宅配便の送り先は?
妻の花の実家のようです
すぐに向かいなさ~い
(部下達)はい
どうだ? 新之助
(新之助)疎開資料 回収しました
これから向かいます
よろしく頼む
(電話のベル)
どうだった?
ダメです 一足違いで 疎開資料は
半沢の部下が持ち去ったようです
そう 分かったわ
申し訳ありません
まあ いいわ
半沢が疎開資料を
持っていると分かっただけでも
十分な収穫よ
見つかるのは
時間の問題ね
明日 午後1時に
第2回の金融庁の聞き取り調査が
行われる
それまでに
億円の損失を埋めるだけの
補填案を提示しなければ
伊勢島ホテルは
実質破綻先と分類され
引当金億円を
積まなければならなくなる
あと時間
湯浅社長の会長説得に
かすかな望みをかけつつも
半沢達は 伊勢島に
他の余剰資産がないか
しらみつぶしに探していた
(新之助)どう探しても これ以上
億の余剰資産はありません
(小野寺)先代 説得できなかった
時点でゲームオーバー
口を動かす暇があったら
手を動かせ
まだ時間はある 探すしかない
はい
はい
手伝います!
俺も手伝います
お願いします
(近藤)なぜ同じ帳簿が
二つ あるんですか?
しかも中の数字が違っている
こちらの数字が正しいとなると
黒字だったはずの ここ5年間で
うちは 万の
赤字だったということになるが
どっちが正しいんだ? 野田さん
(野田)それを どこから
あなたが一番よく分かってるだろ
あのキャビネットの中だ
しかし あそこには鍵が
お前の机の中に
スペアキーがあることぐらい知ってる
(田宮)まあ 近藤さん
これは何かの手違いだろう
確認するから
あとは私に任せてくれ
社長もご存じだったんでしょう
何を言うんだね 私は何も
この中には あなたが目を通した
サインも残っています
これは紛れもなく 裏帳簿だ
タミヤ電機は
5年も前から 赤字を隠し
粉飾して
不正に融資を得てましたね
だったら どうする
バラすのか? 銀行に
当然でしょう
全部 正直に話さないかぎり
真の解決は あり得ません
解決どころか そんなことしたら
取り引き打ち切りになるんじゃ?
どうなるかは
あなたしだいだ 田宮社長
こんな小細工じゃなく
本当に会社を再建していく
気構えがありますか?
もしあるのなら
私は全力で銀行を説得します
この会社の経理部長として
新木場の倉庫 売却できないか?
(新之助)検討してもらってます
海沿いのゴルフ 利用客 減ってます
これ いけますね
細かい資金を集めて
億くらいにはなったか
これで
どうにか押し切るしかないな
ありがとうございます
今から 頭取に説明してくる
はい
湯浅社長から電話があったら
何時でもいい 連絡くれ
分かりました
腹へった
お~い 生きてるかい?
どうせ何も食ってないんだろう
はい 牛丼です
(近藤)明日までに 億か
厳しいなあ
悪いな つきあわせて
もし億の余剰資産 見つけたら
牛丼 おごれよ
1年分 おごってやる
しかし 伊勢島も伊勢島だが
まさか近藤の会社も
粉飾してるとはな
どっかに まともな会社ってのは
ないもんですかね
これからどうするつもりだ? 近藤
全部 正直に
銀行に話すよ その上で
融資を継続してもらえるように
頭を下げるしかない
それ 田宮社長 納得してんの?
納得してもらえなくても
それしか本当の意味で
あの会社を救う方法はないと思う
どうせ
もともと煙たがられてたんだ
いまさら 人のいい経理部長を
やるつもりはないね
なあ 今から人事に掛け合って
出向先を変えてもらうことも
できるんじゃないか?
かもな
でも あんな会社でも
今の俺の居場所はタミヤ電機だ
俺は本気で あの会社を
よくしたいと思ってる
見捨てるわけにはいかない
たとえ社長と殴り合ってでも
タミヤ電機を変えてみせる
相手の顔色をうかがうのは
もうやめたんだ
本気でぶつかるってのは
そういうことだろ
(渡真利)どうした?
まだ いるかもしれない
湯浅社長に会ってくる
へッ?
お前の言うとおりだ 近藤
ありがとう
(渡真利)おい 半沢
(湯浅)本気で言ってるんですか
はい
父を 会長を更迭しろと
絵画を売ることを
許していただけないのなら
会長の力を奪うしかありません
私の一存では どうにもならない
取締役会にかけて 半数以上の
同意を得なければならない
羽根さんを支持する者達が
同意するとは思えない
それでも
やってもらわねばなりません
人事権を使って脅してでも
同意させるんです
社長のあなたなら できるはずだ
父を更迭するために
社員を脅せというんですか?
そのとおりです
先代の残した
悪しき風習を断ち切るつもりなら
あなた自身の手で 会長から
この伊勢島ホテルを
取り上げるべきだ
あなたは
ひどい人だな
湯浅社長
あなたは私に おっしゃいましたね
古き悪しき伝統を拭い去り
新しい伊勢島ホテルを築きたいと
あなたのビジョンは間違ってはいない
あとは それを成し遂げる
強い信念を持てるかどうかです
伊勢島ホテルを救う可能性が
1パーセントでもあるのなら
私は鬼にでも 悪魔にでもなる
じゃ 始めましょうか
億の損失補填は
どうなった?
先代の集めた絵画と
美術館のための不動産を
売ろうとしていたみたいだけど
会長を説得できたの?
いいえ
説得はできませんでした
そう だったら伊勢島ホテルは
実質破綻先に分類決定ね
説得できませんでしたので
会長を更迭し
全ての絵画を差し押さえ
売却することにいたしました
(黒崎)更迭!?
新之助
資料をお配りしろ
はい
今朝 父から 絵画の所有権を
差し押さえました
ありがとうございます 湯浅さん
つらい役回りをさせてしまい
申し訳ない
いや それが
更迭することを伝えたら
親父のやつ 急に笑いだして
好きにしろと
親父は こうなることを
望んでいたのかもしれない
初めて腹を割って
話せた気がします
半沢さん こうなることを
分かってたんですか?
まさか
社長の覚悟が そうさせたんです
そこに示したとおり
絵画点 および
美術館建設のための土地不動産は
既に売却が決定しており
残り点に関しても 現在
売買契約が進んでる最中です
概算で
 とんで万
加えて 前回 申し上げた
社員寮の売却分等 合わせますと
億の運用損失の補填には
十分かと思われますが
いかがでしょうか? 黒崎検査官
(羽根)まさか あのお坊ちゃんが
会長を更迭してまで
美術品を売却する!?
正直 予想外ね
このままだと 私達の計画も
たとえ半沢が どうにか
億を用意できたとしても

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