半泽直树 日语剧本/ Hanzawa naoki Transcript_20
君は 間もなく出向すると
聞いているが
確か 根室だったね
はい
それは 随分と遠いねえ
ご家族も慣れない土地に行くのは
大変だろう
何がおっしゃりたいのでしょうか
その出向をね
私の力で
なかったことにしてもいい
だが それにはね
条件がある
条件とは?
今 君が抱えている報告書を
表に出さないでほしい
ただ それだけのことだ
簡単なことだよ
私が出さなくても 迂回融資の件は
すでに何人かに話してます
そんなものは どうにでもなるよ
田宮社長の証言さえ なければね
タミヤ電機に残る条件として
あの報告書を破棄しろと
そうおっしゃりたいんですか?
いやいやいやいや…
君は何を勘違いしてるんだ
私は 君を
本行に戻すと言っているんだよ
どこがいいかね?
本店 支店 融資部 審査部
確か 入行当時の君は
広報部を希望していたんだったね
何なら その方向で
調整してみようじゃないか
本当に できるんですか?
そんなことが
できる
報告書を渡してくれたらね
(岸川)こんな いい話は
ないじゃないか
きっと
ご家族も喜ばれるに違いない
近藤君
今 ここで
返事が欲しい
もう一度 なってみないかね?
銀行員に
もし やばいことになりそうなら
すぐに相談に来いよ
肩書や居場所は違っていても
お前は お前だ
たとえ どんな結果になっても
俺は お前達と同期でよかった
進学塾なんだけど どう思う?
どうって?
結構 費用がかかるから
せっかくできた友達と
また離れなきゃならないから
よろしく…
お願いします
(渡真利)報告書 うまくできそう?
(半沢)あとは 近藤の持ってくる
田宮社長の証言が
加われば完璧だ
で いつ提出すんだっけ?
取締役会に議題としてあげる前に
明日 頭取に見せることになってる
これで いよいよ
大和田と決着がつけられるな
ああ
よし!
にしても
近藤のやつ 遅くねえ?
(大和田)私は君を本行に戻すと
言っているんだよ
(近藤)本当にできるんですか?
そんなことが
できる
報告書を渡してくれたらね
もう一度 なってみないかね
銀行員に
よろしく…
お願いします
ただいま
(由紀子)お帰んなさい
どうしたの? 珍しいじゃない
そんな顔して帰ってくるなんて
聞いて驚くなよ
銀行に戻れることになった
えッ ほんと?
ああ 本決まりだ
でも 突然どうして?
まあ 色々とな
じゃあ 出向は?
もちろん無しだ
洋弼 洋弼 パパがね…
(留守番電話)
(中野渡)もし これが事実なら
銀行として 大和田常務を
このままにしておくわけには
いかなくなるな
この添付書類というのは?
タミヤ電機社長
田宮基紀氏の証言です
京橋支店からタミヤ電機に
融資された万が
大和田常務の妻
棚橋貴子の経営する会社に
どのような経緯で
資金転貸されたかが語られてます
要約いたしますと
田宮社長が大和田常務に
半強制的に
協力させられたという内容です
手違いで遅れておりますが
取締役会までには
必ず添付いたします
半沢
これだけのことをするからには
もし負けたとき
失うものは大きいぞ
覚悟の上です
分かった
この報告書は 確かに私が受理した
3日後の取締役会で議題にあげ
審議することを約束する
お願いいたします
確実なんだな 間違いないな?
(川口)はい 今朝 確かに部長が
承認印を押してましたから
(渡真利)半沢!
今 人事の裏情報を聞いた
まだ内示も出てないそうだが
どうした?
近藤が銀行に戻ってくる
しかも広報部だ
一体 何がどうなってんだよ
(野田)あいにく近藤部長は 本日
お休みをいただいてますが
そうですか では携帯のほうに
かけ直してみます
はい 失礼します
(留守番電話)
半沢です
近藤 いつもの場所で待ってる
何時まででも 待ってるからな
(一同)イヤーッ…
待ってたぞ 近藤
半沢
俺は…
早く着替えてこい
イヤーッ 面!
面 面 面!
面ッ!
面 面 面!
面 面ッ!
面ッ!
半沢
近藤
生きてくって
大変だな
時々 思うよ
何で銀行員なんかに
なっちまったんだろうって
ノルマはキツイし
同僚とする話は
いつも金や人事のことばかりだ
転勤は つきもので
そのたびに
家族には つらい思いをさせる
一つでも汚点を作れば
すぐに出向だ
お前みたいに
なりたくもない病気になっても
周りのやつらから
謝罪の言葉の一つもない
なった人間が悪いと
言わんばかりに
片道切符の島流しだ
だが お前は自力で戻ってきた
広報部は お前の夢だったんだろう
それを手に入れたんだ
いいじゃないか それで
半沢
でも俺は
そのために お前らを…
お前らを裏切ったんだぞ
何でだろうなあ
裏切られた気がしない
お前は タミヤ電機を立て直そうと
必死に頑張った
その結果 田宮社長を説得して
証言を
手に入れることができたんだ
だったら それをどう使うかは
お前の自由だ
お前は それを使って
銀行復帰を果たした
それは お前の実力だよ
俺が お前でも
同じことをしたと思う
誰だって 生きていくには
金も 夢も必要だ
お前は銀行員として
当然の選択をしただけだ
報告書のことも気にするな
元々 俺が一人でやるべきことに
お前を
巻き込んじまったんだからな
お前は何も悪くない
よかったな 銀行に戻れて
すまん
(近藤)すまん…
(近藤の泣き声)
(渡真利)近藤を許すってことは
お前が追い詰められるってことだ
田宮社長の証言がなければ
あんな報告書 何の役にも立たない
むしろ いたずらに大和田常務を
断罪してるだけに
かえってよくない
もう一度 田宮社長から
証言を取るわけにはいかないよな
その場合 近藤が大和田と
取り引きした事実も明るみに出る
近藤を犠牲にすることになるのか
クソッ
大和田は
そこまで計算してるのかよ
あの野郎
人の弱みに つけ込みやがって
なあ おい 何かないのかよ
大和田の不正を決定的にする方法
もう一度 貝瀬に
例の内部告発を隠蔽した書類を
突きつけて
証言させるよう脅したらどうだ?
それか 羽根専務を
何とか こっちに抱き込んで…
フッ…
やってることは一緒だな 大和田と
結局 俺は
大和田と
同じ穴のムジナなのかもしれない
同じじゃない
大和田は 自分の保身のためなら
簡単に人を切り捨てる人間だ
でも お前は いつだって
まずは誰かのために動いてきた
大阪の竹下社長 藤沢未樹
伊勢島の湯浅社長 戸越さん
それに近藤だって
お前に助けてもらった人間は
たくさんいるんだぞ
お前は大和田と違う
全然 違うよ
渡真利…
だから
負けるわけにはいかないだろ
大和田だって 今は
身を守るのに必死だ
何か一つでも お前の粗を見つけて
強引に出向…
(内藤)半沢!
金融庁から
頭取宛てに書面が送られてきた
書面?
先日の検査における
お前の受け入れ態度に
問題があると指摘してきたそうだ
黒崎ですか
早速 岸川部長が 次の取締役会で
お前の処分案を
議題にあげるらしい
随分と根回しがいいんですね
これは お前を出向させるために
仕組まれたことかもしれん
とにかく 何とか乗り切れ!
いいな 半沢
俺も できるかぎりのことをする
ありがとうございます
こういうの
何て言うか知ってる?
絶体絶命
ただいま
(花)お帰り
ちょ ちょ ちょっ…
えッ?
痛ッ 何だよ 花
いいの いいの
黙って ついて来て
はい ジャジャーン
花ちゃんの手作りシフォンケーキで~す
半沢次長 金融庁検査の長~い戦い
お疲れさまでした
これで
出向しなくて済むんでしょ?
隆博の夏休み あと1週間あるから
海外は もう無理なんだけど
国内なら全然 行けるから
どこにする? これ 沖縄
ごめん
まだ どうなるか分かんないんだ
もしかすると 次の取締役会で
出向が決まるかもしれない
何で? 伊勢島ホテルも救って
金融庁検査も乗り切ったんでしょ
ごめん
そういうことになってるんだよ
どうしたんだよ これ?
この前 金沢 行ったときに
作らせてもらったの
それも お義父さんのネジと一緒に
持ってて
お守りの代わりに
黙って やられるつもりなんか
ないんでしょ?
大和田なんかに
お義母さんから全部 聞いた
ごめんな ずっと黙ってて
ううん
色んな思いは
あるかもしれないけど
ここまでやってくれた直樹を
天国で お義父さん
ものすごく誇りに思ってると思う
銀行を変えたいって
話してくれたけど
私 すごく感動したし
応援したいって思った
私…
あなたを
一人の人として尊敬するわ
花…
だからさ
これで負けたら負けたで
いいじゃん
直樹から見たら 銀行なんて
こんなに大きいかもしれないけど
世間から見たら こんなもんよ
出向になれば
外から銀行 見れるわけだし
銀行を変えていくのに
いい経験になるんじゃない?
出向が怖くて 銀行員できるか!
そんな気持ちでさ
大和田に ブチ当たれ
(中野渡)そうか
決め手となる証言を失ったか
頭取は どう思われますか?
この報告書の内容について
黒だな
恐らく ここに書かれていることは
事実だろう
だが 証明できなければ
これは ただの紙くずだ
銀行員にとって
最も必要なものは何だと思う?
人を見る力だよ
金勘定は二の次だ
私は君という男を見て
伊勢島ホテルの全てを託した
そして 生き延びることができた
半沢 お前
大和田常務の何を見てる?
メガバンクの常務などという
肩書を外せば
あの男も君と同じ 一銀行員であり
一人の弱い人間なのかもしれない
そこを見落とすと
彼には勝てないんではないか?
もしかすると俺達は
大和田の銀行員としての顔しか
見ていなかったんじゃないか?
なぜ大和田は 迂回融資なんて
危ない手を使って
妻の会社に
万の資金を流したのか
確かに メガバンクの役員なら
それくらいの金
自分で用意できたはずだよな
だが そうはしなかった
いや できなかったのかもしれない
そうか… よし 俺の持ってる
ネットワーク全てを使って
大和田を丸裸にしてやる
頼む ラフィットのほうは
近藤に調べてもらうから
近藤!?
おま…
つくづく思うよ
お前 いいやつだよな
お前も 近藤も
俺にとっては
一生大事な同期の友だ
そっちは お前達に任せる
俺には 会って話を聞きたい人物が
一人いる
よし じゃ 早速
近藤と連絡 取ってみるよ
いや もう来てる
えッ?
何やってんだよ 近藤
早く来い
あと時間しかないぞ
作戦会議だ
お帰り 近藤
お帰り
ただいま
あなたが最初に出した
億の運用損失
あれは ただの事故だったんですか
それとも…
(羽根)いまさら そんなこと聞いて
どうするの?
大和田常務の不正を
報告する文書に
あなたの証言を
付け加えたいと思っています
正義は我にありっていう顔ね
羽根さん
伊勢島が 二度と同じ問題を
起こさないためにも
大和田のような男には きちんと
責任を取ってもらわねばならない
そのためには
あなたの証言が必要です
あの損失は 間違いなく事故よ
でも それを…
それを大和田常務が 利用した
せいぜい気をつけるのね
大和田常務には
(雷鳴)
(クラクション)
いやあ 申し訳ない
銀行に戻るなら
私の車に乗らないかね?
お心遣いは ありがたいですが
遠慮させていただきます
近藤君は
素直に乗ってくれたがねえ
ではせめて クリーニング代は私宛てに
請求書を回してくれたまえ
泥に濡れているのが
好きなら別だが
あのときも こんな雨の日でしたね
年前の金沢です
あのときも あなたは
そうやって 傘を差し
私の父は雨に濡れ
泥まみれで
はいつくばってました
(慎之助)融資 継続すると
あんたが言ったんやないか
離してください
(慎之助)産業中央銀行さん
それだけは助けてください
お願いします!
あれから 随分と偉くなられて
昔のことなど
忘れてしまわれましたか?
確かに 私は昔
金沢にいたこともあるが…
はて 一向に
君のことは思い出せないなあ
ただ 仕事の質にこだわって
経営破綻した
哀れなネジ工場のことは
何となく思い出したよ
自動化やコストカットを
いくら勧めても
首を縦に振らない
立派な職人さんだったが
私の言うことさえ聞いていれば
自殺などしないでも
済んだのにねえ
その職人は
銀行を信じて
土地を担保に入れたんです
しかし 見捨てられ
全てを失いました
彼は…
私の父は
銀行に殺されたも同然だった
(読経)
(融資課長)間一髪だったな
コマダ工業の業績悪化が
発覚したとき
それを半沢ネジに伝えず
うまいこと言って
土地の担保を決めさせたのは
さすがだな
あれで うちは
損失を出さずに済んだんだから
銀行員として
当たり前のことをしたまでです
銀行が潰れてしまうわけには
いきませんからね
今度の査定 楽しみにしとけよ
ありがとうございます
何か 腹へりません?
飯食いに行くか
寿司でお願いします
課長のおごりで
(融資課長)まったく
お前みたいなやつがいると
産業中央も まだまだ安泰だ
君が どう言おうが
勝手だが
いまさら 年も前のことを
あれこれ言われてもねえ
銀行に時効などありませんよ
覚えていようといるまいと
あなたのしたことの責任は
キッチリ取っていただく
人の善意は信じますが
やられたら やり返す
倍返しだ
それが私の
流儀なんでね
お前の予想どおり
大和田は真っ赤っ赤だ
近藤のほうは?
今夜中には届くはずだ
(小野寺)どうぞ
おお サンキュー
でも それはあくまで状況証拠だ
大和田を追い詰める
決定的な証拠を見つけないかぎり
金融庁からの改善要求を理由に
お前が飛ばされるのは
時間の問題だ
分かってる
しかし 黒崎のやつ
セコイまねしてくれたもんだよ
なあ 渡真利
前から気になってることがある
黒崎は 湯浅社長を辞めさせ
羽根専務を
社長にするという大和田の提案を
いとも簡単に了承した
あれだけ銀行を嫌ってたやつが
おかしいっていうんだろ?
ああ だがそれも
大和田常務と黒崎が
つながっているなら うなずける
となると
伊勢島の疎開資料の隠し場所を
黒崎にリークしたのも大和田?
それだけは
大和田がやったとは考えにくい
だよな あんなヤバイ資料
金融庁のもとに公になったら
さすがに
大和田も ただじゃ済まない
そんなリークを
わざわざするとは思えない
じゃ どうやって黒崎は
見取り図にも載ってない
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