半泽直树 日语剧本/ Hanzawa naoki Transcript_8
下手な小細工は やめてくれよ
誰だ かばんに入れたの
お前か お前か?
休憩中に入れたのか 休憩中か?
お前ら グルになって
俺をハメようとしてんだろ
どうしても私のせいにしたいなら
証拠を見せろよ 証拠を
今更そんな言い分が
通用すると思うなよ
証拠を見せろって言ってんだ
証拠を!
証拠なら…
あります
臨店初日
私は 小木曽次長が資料を抜き取る
現場を目撃しました
(中西)何してるんですか?
次長…
確か 中西君だったな
見なかったことに
してもらえないかね
えッ?
言うことを聞いてくれたら
悪いようにはしない
だが もし誰かに話すというなら
あの5億の融資事故の責任を
君にも取ってもらうことになる
出向先は どこがいいかね?
何言ってるんですか?
私は人事部次長だよ
それくらい どうとでもできる
失礼します
あの お話って何でしょうか?
誰にも言ってないだろうね?
小木曽次長 もう これ以上は…
今更 正義漢を気取るのは
やめてもらおう
忘れないでほしいが
君は もう共犯なんだよ
持ち出しを
止めなかった時点でね
大丈夫 黙っててくれれば
決して悪いようにはしない
私は何も知らんよ
それは作り話だろ 空想だ
そんな発言は証拠にはならないぞ
さっきから言ってるだろ
誰もが納得する証拠を見せろよ
証拠を!
[スピーカ](中西)小木曽次長
もう これ以上は…
[スピーカ](小木曽)今更 正義漢を
気取るのは やめてもらおう
[スピーカ]忘れないでほしいが
君は もう共犯なんだよ
[スピーカ]持ち出しを
止めなかった時点でね
[スピーカ]大丈夫 黙っててくれれば
決して悪いようにはしない
課長
黙っていて
申し訳ありませんでした!
よく話してくれた
まだ何か 申し開きはありますか?
小木曽次長
あんた 人事部のくせに
人を見る目がなかったようだな
私の部下は
あんたに手なずけられるほど
ヤワではなかったということだ
どこかの誰かとは違うんですよ
灰田検査役
あんたは どこまで知ってたんだ
俺は何も…
何も知らなかったら
それで許されると思うなよ
そもそも小木曽の言いなりで
最初から結果ありきの
裁量臨店を行った あんた達
融資部の責任はどう取るつもりだ
この3日間で 私達をののしった
すべての発言を
謝罪してもらいましょうか
それは改めて 文書で…
今 この場でだ!
すまなかった
弁明の一つもできないのか
情けない男だ
(浅野)もういい!
裁量臨店は これで終わりだ
この件は私が預かる
いいえ そうはまいりません
この くだらない裁量臨店が
なぜ行われたのか
その本当の責任は誰にあるのか
それをキッチリ
追及していくつもりですから
よろしいですね? 浅野支店長
そんなことより
今の君は5億を回収するほうが
大事なんじゃないのかね?
まあ 好きにしたまえ
(武志)じいじ 来たよ
ママ 早く早く
何べんも間違えるな
お前のじいじは隣やろ
(武志)ねえ ママ
この人 じいじじゃないの?
(優子)武志のおじいちゃんよ
武志って名前も
おじいちゃんがつけてくれたのよ
そうでしょ お父さん
優子
どうして もっと早く
連絡してくれなかったの?
わしは父親失格や
お前に会わす顔なんか…
勝手に決めないで!
悪いことした人だろうと
大嫌いな人だろうと
看病くらいするわよ
看病くらいさせてよ
たった一人の娘なんだから
すまん
すまん…
しかし よう ここが分かったな
弁護士から聞いたんか?
(優子)ううん 半沢って人から
連絡があって
お父さんの知り合いだって
言ってたけど 違うの?
知り合いなんかやあるかい
ただの お節介な銀行員や
ああ 来生さん 半沢です
ありがとうございます
よく調べてくれました
礼は結構ですよ こっちの条件
のんでもらったんですから
それにしても なんで
小村のために ここまで?
まあ いいですけどね
おかげで
いい記事が書けそうですよ
住吉区東帝塚山…
どうも
はい 分かりました
よろしくお願いします
また連絡します
よう
なんだ よく来るな
こっちに飛ばされたか
バカ言え この間の後処理だよ
あの中じゃ俺が一番ペーペーだからさ
四十過ぎてパシリか
そういや お前に
知らせてやろうと思ってさ
小木曽の出向が決まった
(渡真利)また一人
バンカーが消えたな
あいつの場合は自業自得だ
だがな 半沢 人の不幸を
喜んでる場合じゃないぞ
今回の流れで いや応なく
お前の5億の融資失敗っていう
汚名が上層部で注目されちまった
しかも この記事が出たせいで
小木曽だけじゃなく
お前も処分の対象にあがってる
まったく 誰が
こんな記事リークしたんだか
なあ?
えッ まさか… お前!?
なんで!? こんなことしたら
浅野の思うつぼだろ
おい どうするつもりなんだよ
大体 東田の居所だって
まだ つかめてないんだろ?
いや もう分かってる
だろ? だから俺はずっと…
えッ?
小村?
半沢がまいりました
あちらが半沢でございます
これ 父からです
短い時間でしたけど
最後に家族に戻れました
半沢さんのおかげです
ありがとうございました
(小村)「これは
金で買えんものを」
「融資してもらった礼や」
「半沢はん」
「あんたはバカで
一流のバンカーやった」
ほんとバカだな
引き換えに5億の情報を
マスコミに漏らして
自分の首しめるなんて
お前らしいよ
東田の居所を
突き止めるためにやった
それだけのことだ
分かってるよ
(携帯着信)
はい
半沢はん あの住所バッチシや
おったで あいつ
(東田)今日は肉か
そうですか
それが東田のやつな なんや
妙なやつと つるんどるみたいや
妙なやつ?
俺の勘やけど あれ
金融の人間ちゃうか?
金融?
もしかして 隠し口座に関係する
人間でしょうか
写真撮ったから送るわ
(携帯着信)
(渡真利)何?
おい どんなやつだよ
5億の融資事故を起こした
東京中央銀行 大阪西支店に対し
裁量臨店と呼ばれる
本部からの内部検査が行われた
しかし それは半沢に
全責任を押しつけようとする
浅野支店長が仕組んだ
悪意に満ちたものだった
半沢は 検査役である
小木曽の不正を見破り
どうにか
裁量臨店を乗り切るのだった
そして 融資事故の情報を
マスコミに流すことと引き換えに
ついに
東田の潜伏先を突き止める半沢
しかし そこに現れたのは…
(ベトナム語で)
(浅野)順調そうだね
ベトナムの新規事業
(東田)特殊鋼の需要は
右肩上がりになるはずだ
国税や自己破産の手前
おおっぴらにはできねえけどな
俺は必ず
もう一旗揚げるつもりだ
ターちゃんも一緒に
やらへんか?
今よりええ給料 払ったるわ
私は これでもメガバンクの
エリートコースを歩んでるんでね
その人生を
捨てるつもりはありませんよ
なら 気をつけるんだな
あの半沢とかいう男には
心配いらないよ
こんな記事が出てしまった以上
上も黙っちゃいないよ
次の取締役会で
正式に半沢の処分が決まるそうだ
もはや やつに助かる道は
ありません
俺も こいつには随分と
たたかれたからな フッ…
(半沢)こちらが銀行の
人事資料にあった浅野の経歴
そして こっちが
公表されている東田社長の経歴
(竹下)梅田第一中学
梅田第一中学… ほんまや!
同じ中学や
(渡真利)よく知ってたな 浅野が
中学時代 こっちに住んでたの
我が家には
優秀な探偵がいるんでね
(花)浅野支店長
大阪の出身だったんだって
ここの近くの中学校に
通ってたみたい
しかも 学年まで一緒です
二人は中学時代からの知り合いで
裏でつながってたっちゅうことか
そう考えれば
全て つじつまが合います
なぜ 西大阪スチールが
突然 うちの銀行と
取り引きをしようとしたのか
なぜ あのとき 浅野が
強引に5億の融資を
通そうとしたのか
粉飾や計画倒産というアイデアも
東田が一人で考えたものではなく
浅野の入れ知恵かもしれません
浅野は
あの5億がだまし取られることを
初めから知っていたんだ
で その責任を お前に
なすりつけることも決めていた
けど とまるはん
とまりです
とまりはん…
何で 同級生のために
そんな危ない橋
渡らんとあかんのや
恐らく浅野は 何らかの
見返りの金をもらうために
危ない橋を渡ったんでしょう
(竹下のため息)
しかし 証拠がない
あの写真だけじゃ
ただの同級生として会っていた
って言われたら それまでだぞ
そや 半沢はん どないする?
私は これまで
今回の粉飾を見抜けなかった
バンカーとしての責任を
ずっと感じてました
ですから
やれるだけのことをやったあと
最終的には どんな処分でも
受け入れる覚悟だった
ですが 今は違います
浅野はバンカーとして
やってはならないことをした
絶対に許せません
必ず 証拠を見つけ出し
やつを引きずり落とします
(竹下)
やられたら倍返しだ… やな
いいえ
倍返しです
(垣内)萩本運輸の新規融資は
1億が妥当だと判断しました
(浅野)分かりました
では 稟議書の提出を
ただし 当面は江島君に
融資課長を兼任してもらいます
半沢君 新規の融資に関しては
しばらく 担当から外れてください
どういうことでしょうか?
この間の裁量臨店において
確かに 小木曽君の不正行為は
あったにせよ
そういう事態を招いた君にも
問題があるのではと
上層部で
審議にかかってるそうです
私に どんな問題があると?
そんなことも分かんないのかね
しかも 下世話な週刊誌に
かぎつけられたおかげで
現在 我が支店は 世間的にも
厳しい目で見られていますからね
問題の張本人である君に
このまま仕事を
任せるわけにはいかないんですよ
私は この融資に関して
処分を受けるようなことをした
覚えは一切ありません
そういう態度が問題だと
言ってるんだ!
君には何を言っても
無駄なようだな
副支店長 次の議題を
(江島)はい
(バイブレーター着信)
(江島)次に角田 坂石工業への
万の追加融資の件
(角田)坂石工業は ワカイケ商事と…
(江島)どうされました? 支店長
あッ いや… 何でもない
(江島)回収の見込みは?
(角田)ワカイケ商事は 当行とも
長い付き合いの優良先ですし
坂石工業の業績は
堅調に推移してますので
問題はないと判断しました
(江島)分かった では次に
ハヤセ石鉱は 中西か?
(中西)
はい ハヤセ石鉱株式会社は…
うちらの写真 撮られた?
ええ 昨日 会ってたところを
盗撮されたようで
その花って女に心当たりは?
分かりません 恐らく偽名でしょう
ただアドレスを知ってるということは
比較的 身近な人間じゃないかと…
半沢じゃねえのか?
えッ?
(東田)だとしても
堂々としてりゃいいんだよ
同級生同士が会って
何が悪いんだっつうんだ
ビビッてると
足元 すくわれんぞ!
分かってますよ
(未樹)どうしたの?
別に 何でもねえよ!
(東田)これはこれは
よくここが分かったな
お前の家から ついてきたんや
俺んち?
小村さんが教えてくれた
あのじじい…
東田
ため込んだ金は いくらだ?
何の話だよ
支払いの水増し 脱税
うちからの5億
ざっと数えて 億以上か?
図星のようだな
その隠し財産のありか
それまでだ!
それ以上 くっちゃべると
警察に訴えさせてもらうぞ
(竹下)訴えられんのは
お前のほうやろが
(東田)おかげさまで
自己破産申請させてもらったよ
今後 俺に対する執拗な取り立ては
違法行為になるからな
気をつけろよ
(竹下)ぎょうさん金持ってるのに
自己破産が認められるわけない!
俺は法に守られてるんだ
そのむさ苦しい面 二度と
見せんじゃねえぞ!
何やと コラッ!
竹下さん
(クラクション)
(黒崎)自己破産申告なんて
こざかしい!
でもまあ
これで露骨に銀行さんも
手出しはできないわね
(相模)はい
ガサの許可は まだ下りないの?
もう少し確証がないと
下手すると こちらが訴えられ…
あッ
どいつもこいつも
縮こまってるんじゃないわよ!
ああ クソ~ッ 半沢はん
このまま
泣き寝入りするつもりかいな
さっきから何しとんねん
竹下さん
このマークに見覚えありませんか?
(竹下)何や これ?
東田の車の中にあった
ティッシュボックスに描いてあったんです
どこかの
金融機関のものじゃないですかね
銀行とかが
お得意さんに配る粗品か
ええ 大手の地銀や都市銀行なら
見て すぐに分かりますが
このマークは見たことがない
どこかの信用金庫かなあ
ちょっと待ちいな
そんなところと
東田が取り引きする
理由っちゅうたら
そこに
隠し口座があるのかもしれません
えッ!
でも確証はありません
ただの直感です
いや ただの直感ちゃう
あんたの銀行屋としての直感や
よっしゃ そっちは任しとき
しらみつぶしに当たってみるわ
お願いします
私は 浅野が東田から
どんな見返りをもらっていたのか
それを探ってみます
半沢さん ここは勝負どきやで
はい
ただいま
お帰り
あッ 私 明日からバイトするから
バイト?
そう
1週間の短期だけど こっちにいる
先輩が声かけてくれたの
フラワーデザイン?
あッ 違う
ただの事務の手伝い
人手が足りないんだって
何で 金が必要なのか?
別に そういうわけじゃないけど
いいでしょう 別に
ああ いや
花が大事にしてる
フラワーデザインの仕事なら分かるけどさ
そうじゃないんだったら
どうして バイトなんて
意味がなければ
主婦がバイトしちゃいけないの?
はッ?
これだから銀行員はダメなのよ
いまだに
銀行の総合職に就ける女性は
男性の1割以下なんでしょ?
男の都合で
融資するとか しないとか
そんなんで働く女性の気持ち
ほんとに分かってんの?
何なんだ その男の都合って?
今までどおり 家のこともやるわよ
バイトぐらい自由にさせてよね
ご飯 自分でやって
何で そんなに怒るんだ?
(携帯着信)
(浅野)「私と東田さんは
中学時代の同級生で」
「それ以外の付き合いは
ありません」
「誰かは知りませんが
何か誤解されているようですね」
そう言うと思ったよ
(高木)頭取は 急きょ
金融庁に呼ばれて ご欠席だ
で この件については
どういう状況かね? 岸川君
(岸川)責任の所在は
半沢直樹融資課長の独断だった
という報告を受けており
現在 彼の出向先を選定しています
中野渡頭取も
大変 心配しておられた
金融庁に目を付けられると
厄介なことになるからねえ
改善を急ぎたまえ
そういうことでよろしいですね
大和田常務
あの支店は
旧産業中央出身者が多いですから
後輩の不祥事に 常務もさぞ
心を痛めているのではないかと
思いまして
(大和田)泣いてるよ この部屋が
明治年
旧産業中央銀行 創業以来
取締役会は伝統的に
この部屋で行われてきました
合併後も こうして
伝統は引き継いでおります
私は いつも
この部屋を訪れると
身も心も
引き締まる思いになります
しかし
日本経済を担いできた この部屋が
今や 産業中央派と東京第一派の
くだらない対立の渦に
のみ込まれようとしてる
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